シルデナフィルは肺高血圧症に効果がある

肺動脈性肺高血圧症は、心臓から肺に血液を送るための肺動脈という血管が、異常に狭く硬くなってしまう病気です。
心臓は血液を流そうとして狭くて細い肺動脈に圧力をかけるため、肺動脈の血圧が上がってしまいます。
突発性のもの、遺伝性のもの、薬物誘発性のもの、膠原病に伴うもの、先天性心疾患に伴うもの、その他いくつかに分類されています。
でも、いずれの場合もなぜこのような病気が起こるのかはまだ解明されていないため、難治性呼吸器疾患として国から難病に指定されています。
肺動脈性肺高血圧症では、心臓が肺に血液を送ろうと頑張るために心臓の負担が増えます。
そのため、全身へ酸素を送る量が不足してしまいます。
初期にはあまり症状を感じることはありませんが、病気が進行するにつれて、体を動かすと息苦しい、だるい、酸素不足のためにすぐに疲れてしまうなどの症状が現れてきます。
重度になると心臓の機能がさらに低下するため、足がむくむ、少し体を動かしただけでも苦しい、呼吸困難、失神などの症状が現れます。
肺動脈性肺高血圧症は、肺への血液を送り出す右心室に負担がかかるため、右心室の壁が厚くなったり、拡大したりします。また相対的に、左心室が小さくなります。
そのため、必ず伴う合併症が右心不全です。
治療をしない場合の余命は2年半~3年ともいわれています。また、以前は効果のある治療薬もほとんどなかったため、患者の約半数が3年以内に右心不全で死亡しました。

有効な治療法は肺移植しかないといわれていましたが、1,999年に日本で最初の専用治療薬が開発されたこともあり、早期からの治療によって10年生存率も大幅に向上しています。
治療には多くの場合、複数の治療薬が併用されます。
その中のひとつが、ED治療薬として知られるシルデナフィルです。
肺動脈性肺高血圧症の治療薬としてはレバチオという名で呼ばれますが、血管を拡張して血流を改善させることで、肺動脈の血圧を下げる高い効果がある治療薬として使用されています。

レバチオについて

バイアグラという名のED治療薬であるシルデナフィルは、肺動脈性肺高血圧症の治療薬ではレバチオと呼ばれています。
どちらも同じ成分で、血管を拡張させるという効果があります。
有効成分であるシルデナフィルには、血管拡張物質であるサイクリックGMPを増やす作用があるため、肺動脈を広げて肺動脈圧を下げる効果があるといわれています。
その結果、心臓から肺への血流が改善されるため、息切れや呼吸困難などの症状が軽減されます。
また近年では、病気の進行を遅らせる可能性も見出されています。
シルデナフィルにはサイクリックGMPを分解してしまうホスホジエステラーゼ5を邪魔する作用があるため、ホスホジエステラーゼ5阻害薬(PDE5阻害薬)に分類されています。

肺動脈性肺高血圧症では、中等度からやや重度(WHO機能分類クラス2~3)のレベルに対して最も推奨度の高い治療薬として位置づけられている薬です。
肺動脈性肺高血圧症では、レバチオをシルデナフィルとして1回20mgを1日3回服用します。
用法や用量は症状によって変わるので、医師の指示に従うことが大切です。

レバチオの副作用としては、血管拡張作用による頭痛、ほてり、めまい、低血圧、動悸、頻脈などがあります。
消化不良、吐き気、下痢、腹痛が起こることもあります。
また、まぶしい・かすむ・視界が青く見えるなどの視覚異常を感じることもあります。
もし急激な視力低下や難聴低下を感じたら、すぐに耳鼻科に受診しましょう。
もちろんバイアグラとしての効果もあるため、持続勃起症が起こることもあります。
4時間以上勃起が続くようなら、速やかな受診が必要です。
陰茎組織損傷、勃起機能の喪失につながる場合もあります。
レバチオは指示通りに、正しく服用することが大切です。